キャンセリングマグネットの効果を測定 22020年08月03日

キャンセリングマグネットの効果を測定する新たな方法とは、スピーカーユニットのインピーダンス特性を測り、後付けのマグネットの有無によって特性が変化すれば何らかの効果はあると判断できると考えました。
駆動力が高いスピーカーユニットは f0付近のインピーダンスが高くなる傾向があり、長岡鉄男氏もそのように説明していたように思う。
実験に使用するスピーカーユニットは FE83-Solで、ボックスやバッフル板には付けない裸の状態でインピーダンス特性を測ります。
付加するマグネットのサイズは直径60mm・厚さ7mmのフェライト磁石で、顕著に差が出るように 2枚重ねとしました。

インピーダンス特性の測定結果は掲載したグラフになります。
・黒線:後付けマグネット無し
・青線:順方向(吸引する方向)にマグネットを付加
・赤線:逆方向(反発する方向)にマグネットを付加

FE83-Solのメーカー発表の f0(最低共振周波数)は 135Hzですが、今回測定した結果では約140Hzになっており f0時の各インピーダンスは、
・黒線:約35Ω
・青線:約29Ω
・赤線:約38Ω
となりました。

メーカー発表のインピーダンス特性を見ると f0付近のインピーダンスは 30Ωぐらいと読み取れるので、今回の実験結果の「約35Ω(後付けマグネット無し)」とは少し差異があるようです。
差異が発生した要因としては、測定に使用している機器類は市販されているパソコンや比較的安価なテスターなどですので多少の誤差が出ることは仕方ありませんし、スピーカーユニットの個体差や経年変化があるのかもしれません。

ということで、f0及びインピーダンスとも測定値に誤差はあるのかもしれませんが、後付けであってもマグネットの有無や向きによってインピーダンス特性が変化することは証明できていると思います。
そして、逆方向(反発する方向)にマグネットを付加した場合はインピーダンスが高くなっていることから、キャンセリングマグネットは駆動力アップの効果はあるということは言えると思う。
但し、音が良くなるかどうかはボックスとの兼ね合いなどの総合的な判断が必要で、場合によっては順方向(吸引する方向)にマグネットを付加した方が音が良いと感じることもあるかと思います。
とりあえず、効果が数値化できてスッキリしました。

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