キャンセリングマグネットの効果 12020年08月02日

キャンセリングマグネットの付加は個人的にはよく使う手法だが、ネット上のブログ等の書込みを見ると後付けのマグネット付加の効果については賛否あり「重量増加分以外は無意味」や「順方向(吸引する方向)に付加した方が音が良くなる」など様々です。
個人的には「逆方向(反発する方向)に付加することで聴感的には駆動力アップの効果はある」と感じているが、本当にそうなのか?
聴感的に効果はあると言っても説得力が無いので「何か数値化できないものか?」といつも考えていた。

以前、キャンセリングマグネットの効果を測定したいと思い実験したことがあった。
その実験とは、スピーカーの端子に電池を接続すると「パコッ!」とコーン紙が飛び出すが、キャンセリングマグネットによって駆動力が増していれば、コーン紙の飛び出し方にコンマ数ミリかでも違いがでるのではないか?というもので、実際に測ってみた。
厳密に測ることができれば違いが出たのかもしれないが、目視に近い測定方法だったこともあり、結果的には違いを計測することはできなかった。
今考えればイマイチな実験だったと思う。

今回は新たな方法で効果を測定してみたいと思っている。
実験に使用するスピーカーユニットは FE83-Solです。

キャンセリングマグネットの効果 22020年08月03日

キャンセリングマグネットの効果を測定する新たな方法とは、スピーカーユニットのインピーダンス特性を測り、後付けのマグネットの有無によって特性が変化すれば何らかの効果はあると判断できると考えました。
駆動力が高いスピーカーユニットは f0付近のインピーダンスが高くなる傾向があり、長岡鉄男氏もそのように説明していたように思う。
実験に使用するスピーカーユニットは FE83-Solで、ボックスやバッフル板には付けない裸の状態でインピーダンス特性を測ります。
付加するマグネットのサイズは直径60mm・厚さ7mmのフェライト磁石で、顕著に差が出るように 2枚重ねとしました。

インピーダンス特性の測定結果は掲載したグラフになります。
・黒線:後付けマグネット無し
・青線:順方向(吸引する方向)にマグネットを付加
・赤線:逆方向(反発する方向)にマグネットを付加

FE83-Solのメーカー発表の f0(最低共振周波数)は 135Hzですが、今回測定した結果では約140Hzになっており f0時の各インピーダンスは、
・黒線:約35Ω
・青線:約29Ω
・赤線:約38Ω
となりました。

メーカー発表のインピーダンス特性を見ると f0付近のインピーダンスは 30Ωぐらいと読み取れるので、今回の実験結果の「約35Ω(後付けマグネット無し)」とは少し差異があるようです。
差異が発生した要因としては、測定に使用している機器類は市販されているパソコンや比較的安価なテスターなどですので多少の誤差が出ることは仕方ありませんし、スピーカーユニットの個体差や経年変化があるのかもしれません。

ということで、f0及びインピーダンスとも測定値に誤差はあるのかもしれませんが、後付けであってもマグネットの有無や向きによってインピーダンス特性が変化することは証明できていると思います。
そして、逆方向(反発する方向)にマグネットを付加した場合はインピーダンスが高くなっていることから、キャンセリングマグネットは駆動力アップの効果はあるということは言えると思う。
但し、音が良くなるかどうかはボックスとの兼ね合いなどの総合的な判断が必要で、場合によっては順方向(吸引する方向)にマグネットを付加した方が音が良いと感じることもあるかと思います。
とりあえず、効果が数値化できてスッキリしました。