FE108SS-HPバックロードホーン作成 番外編12022年05月19日

スピーカーユニットを FOSTEX MG100HR-Sに交換してみました。
FE108SS-HP比べると音に厚みが出て良い感じです。
そして、純マグネシウム振動板特有の繊細で瑞々しい音も大変スバラシイ。
この厚みが FE108SS-HPでも出ていれば問題無かったのにと思います。
周波数特性を測ってみましたが、厚みが無い音の要因かと思っていた200Hzや100Hz前後のディップはそのまま残っており、どうやらこのディップは関係なかったようです。
いずれにしても音は非常に良く MG100HR-Sのままでもいいかと思うほどです。
「だよねぇ、箱の設計に間違いは無かったんだよ!」と小さく心の中で吠えました。
じゃ、FE108SS-HPがおかしいの? ん~!? わからん。

FE108SS-HPバックロードホーン作成 72022年05月17日

FE108SS-HRバックロードホーン
ホーンツィーター JA0506Ⅱを追加してみました。
コンデンサーは 0.22μFでアクセント的に鳴らす程度ですが、天板にホーンツィーターはバックロードホーンには定番でカッコイイ。

で、とりあえず FE108SS-HPバックロードホーン作成のまとめです。
従来のユニットとは素材や形状から大きく変わったので当然かもしれないが FE108SS-HPの音は今までのFOSTEX限定品とは違い良くも悪くも大人になったように感じます。
個人的には FE108SS-HPは、FE103Sol以来購入に踏み切った10cmフルレンジユニットの限定品で、マグネット2枚重ねということもあり、非常に期待し楽しみにしておりましたし、価格が少々高いのが玉に瑕ですが、縮小方向のオーディオ業界にありながら新技術に挑戦し次々新しいユニットを出し続けている FOSTEXには拍手を送りたいと思います。。
ですが、今回作成したバックロードホーンはこのユニットにマッチしていないのか、厚みが無く淡白でかなりイマイチな音になっております。
可変空気室など色々考えて設計したつもりでしたが、残念でなりません。
再度 FE108SS-HPのバックロードホーンに挑戦したい気持ちもありますが「やはりバックロードホーンのぶっつけ本番は難しい」などと言い訳をしながら少々自信を無くしております。
何台か作り追い込んでいけば・・とも思ってしまいますが、そのためには金銭的・体力的・精神的・時間的・場所的に余裕が無いとできません。
今のところはそんな余裕も無くしばらくは大丈夫だと思いますが、恐ろしいことに新たな構想もあったりするので、また悪魔が囁きだすかもしれません。

今回作成したエンクロージャーのスペック
形式:バックロードホーン
サイズ:巾206mm・奥行き248mm・高さ966mm(インシュレータ・サブバッフル・ユニットを除く)
空気室:約1.65L~2.95L可変
スロート面積:40.8cm2(8.5cm×4.8cm)
ホーンの長さ:約240cm(80cm×3本)
ホーンの広がり率:1.078

FE108SS-HPバックロードホーン作成 62022年05月15日

周波数特性を測定してみました。
グラフは上から
空気室最大時(約2.95L)
空気室約 2L時
空気室最少時(約1.65L)
ですが、重ねて比較しないと差はよくわからないほど微妙です。
100Hz前後と200Hz付近のディップが目立っており、中低域が薄く音の厚みが無い感じがするのでこのディップが原因か?
音は日増しに良くなってきており、鳴らし始めはボーカルがイマイチでベールがかかったような感じでしたが、かなり改善されてきている。
ただし、従来の FOSTEX限定品によるバックロードホーンらしさ(?)は薄く、上から下までクセが無く繊細で端正な鳴り方になっていると思います。
かと言って緩い音ではなく、重低音が入った優秀録音盤では途端に牙を向けてくる、そんな感じです。
ですが、録音が普通の(一般向けの?)ポップス系には合わないようで、あまりにもサラリとつまらなく再生してしまう。
そういう録音だからと言ってしまえばそれまでですが、上記したディップの影響もあるのではないかと思います。

FE108SS-HPバックロードホーン作成 52022年05月13日

インピーダンス特性を測定してみました。
グラフの緑の線が空気室最大時(約2.95L)で、赤の線が空気室最少時(約1.65L)になります。
2kHz以上は大きな差は無いのでグラフはカットしています。
グラフを見た感じではしっかりホーンロードが利いており空気室のエア漏れは気にしなくて良さそうです。
空気室の大小によるインピーダンスの差が大きいのか小さいのかはわかりませんが、可変空気室の実現には結構な手間がかかった割には意外に差は小さいなぁというのが正直な感想です。
ただ音としての違いは大きく、空気室最大時は音が奥に引っ込むようで大人しい感じになり、空気室最少時は音は前に出てくるが歪感が増えてやや喧しい感じになるようです。
やはり 2Lぐらいに調整した時がバランスは良いが、クラシックは大きめでジャズは小さ目のようにソースによって多少変えてみるのもイイかもしれない。

FE108SS-HPバックロードホーン作成 42022年05月11日

FE108SS-HPバックロードホーン
箱が完成しスピーカーターミナルとスピーカーユニットも取り付けたのでようやく聴ける状態になりました。
コンパクトに設計したつもりでしたが、出来上がってみると10cmユニット用でもバックロードホーンはでかいです。
インシュレータやサブバッフルを除いた箱だけのサイズは、巾206mm・奥行き248mmと比較的床占有面積が小さいのが救いですが、高さは966mmとかなりあります。
見慣れてくれば違和感は無くなってくるかと思いますし、ブックシェルフタイプをスピーカースタンドに載せればさほど変わらないぐらいのサイズにはなるかと思うので、それを考えれば許容範囲かと思います。

とりあえず音を出してみましたが、やはり初めに出てきた音は歪っぽくて抜けが悪いさえない音でした。
この音を聴いていると「失敗したか?」と不安になるので CDを掛けたまま部屋を出てしばらく放置です。
一時間ほどしてから部屋に戻り再度同じCDを掛けてみるとエージングによる音の変化の大きさがよくわかります。
それでもまだまだという感じですが、ホーンの変な癖や特定の帯域が強調されるようなことは無く CD「驚異のコントラバス・マリンバ」を掛けてみると気持ちがイイ重低音が出ているので今後期待できそうな雰囲気は感じています。

FE108SS-HPバックロードホーン作成 32022年05月09日

箱はほぼ完成しました。
次は可変空気室の仕切板の調整ですが、初めは叩いて入れればギリギリ嵌まるサイズになっているのでスムーズに動かすことができるようにヤスリを掛けました。
高級な茶筒のフタが「スッ」っと嵌まるような感じになれば理想的です。
で、高級茶筒並みとはいきませんが、固過ぎずゆる過ぎずスムーズに動くようになりました。
ガタつくようだったら戸当りテープを使ってピストンリングのようなエア漏れ防止策も考えていましたが、面倒だし今のままでも大丈夫かと思います。
仕切板をバッフル側に押し込んだ時の空気室は約1.65Lで、後ろ側に引いた時が約2.95Lになります。
2L前後が妥当なところだと思うので、このぐらいの範囲で調整できれば実験的なこともできると考えています。
仕切板は左右のネジで任意の位置に固定できるようになっています。
また、後ろ側から引くことがことができるように内側に 100均で買った引出し用のツマミを取り付けました。

FE108SS-HPバックロードホーン作成 22022年05月07日

途中経過ですが、養生テープで固定して仮り組みしてみました。
写真の左の板が要となる中央の仕切り板になります。
写真の真中が スロート及び 1本目と3本目のホーンが見える側の横面になり、一番右側が 2本目と3本目のホーンが見える側の横面になります。
ホーン自体は使用する板も少なく非常に単純な構造なので組立てに際して気を使う部分は少ないのですが、可変空気室を採用したので、板の接着がズレたり斜めになったりすると過大なエア漏れや空気室の仕切り板が動かなくなるなどの不具合が出る可能性があるので、組立ては非常にシビアになってしまいました。
ですがこんな事は、板を精密にカットしてくれる業者さんがいらっしゃるからできることで、自分で板をカットしてたら絶対に実現することは不可能なことです。

FE108SS-HPバックロードホーン作成 12022年05月05日

発注していた板は GW前に届いていたのでもう少し早く作り始めたかったのですが、雨や晴れていても風が強かったりで GWの後半になってしまいましたがようやく作り始めることができました。
今回は(も?)サブバッフルを付けることにしました。
最近、スピーカーユニットの落とし込みの加工をするようになったのですが、いつも落し込みの深さが浅くもう少し深くすれば良かったと後悔ばかりしていたので、今回はフレームの厚さの分をキッチリ深堀りしました。
サブバッフル用の板は初めから複数枚用意してあるので、FE108SS-HP以外のユニットに交換する場合でも対応可能です。

FE108SS-HPバックロードホーンのホーン構成2022年04月18日

今回設計したFE108SS-HPバックロードホーンの内部のイメージを図にしてみました。
平面図だとイメージが掴みにくいかと思い、立体図にしてみました。
さらに、図の右側には空気室と3本のホーンを分けて描いていみました。
複雑な構造に見えるかもしれませんが、実際には 3本のホーンは 3枚の板で仕切られているだけなので構造的には単純です。

緑色の部分が空気室で、図には描いていませんが内部に前後にスライドする仕切り板を設けて可変空気室にする予定です。
黄色の部分が1本目のホーンで、空気室の左手前下側がスロートの穴になり1本目のホーンにつながります。
ピンク色の部分が 2本目のホーンで、1本目のホーンとは下側でつながります。
青色の部分が 3本目のホーンで、2本目のホーンとは上側でつながり後面の下に開口部があります。
3本目のホーンの断面は四角形ではありませんが、断面積で見ると一定の広がり率で広がっていくようになっています(等価的にですが)。

ホーンの途中から広がり率を大きくして、開口部の面積を稼いだりすることもあるのですが、今回は低域の量感よりも下に伸ばしたいと考えたので、ホーンの広がり率は 1~3本目とも固定にしました。
グラフはホーンの断面積の計算値(青線)と実際のホーン(赤線)の比較になります。
広がり率が一定でホーンの長さが 3本とも同じこともあり、失敗すれば特定の周波数で共振するようなクセのある音になってしまうかもしれません。
それと、3本目のホーンの断面が四角ではなく変形(L形)なのが少し気になるところですが、スリットで空気抵抗が大きい形状などでなければ、空気君(音波君)は断面の形などはそれほど気にしないはずですので、ホーンの動作には大きな影響は無いかと思っています。

これで「スリットにならない・直管は使わない・けど作りやすい」という設計思想は満足できたと思います。
あとは肝心の音ですが、これは実際に作って確認するしかありません。
使用する板は 12mm厚のMDFで、3×6サイズ1枚で1本作る板取りにして、GWに制作することを目標に板を発注しました。

FE108SS-HPバックロードホーン設計完了2022年04月02日

FE108SS-HPエンクロージャー
FE108SS-HP用のバックロードホーンの設計はほぼ完了しました。
FE108SS-HPは、今までのFOSTEX限定品に比べると低域はは結構出るようなので、ホーンで広帯域に持ち上げるのはあまり欲張らず、強力な駆動力は下に伸ばす方向に使うようにすればイイかな、と考えました
ですので、スロート面積と広がり率はほどほどに、ホーンは長めに、空気室はやや大きめに、という感じです。
初めての試みとして「可変空気室」を採用しようと思っています。
バックロードホーンは一度作ってしまうと調整することはほぼ不可能となってしまうので、気に入らなかった場合は陶芸作家が皿をガシャンと割ってしまうがごとく、エンクロージャーを捨ててしまうしか無かったのですが、せめて空気室ぐらいは容易に調整できればと考えました。
空気室は約1.5L~2.6Lぐらいの範囲で調整できるようにする予定です。
とはいっても可変にするとどうしても若干の空気漏れはあると思うので、最終的には(調整後は)接着する必要はあるかと思っています。
プロポーションはトールボーイで、外観は何の変哲もない四角い箱ですが、内部の音道は今までに無い構造になっていると思います。

で、あとは作るだけなのですが、部屋が散らかり放題なのも要因ですが、最近は腰がかなり重くなってきたようで「よし、作るぞ!」という気にならず「ん~、面倒だなぁ」という気持ちが先行てしまい、天使と悪魔が葛藤しています。
なのでまだ板を発注していませんが、世の中値上げのラッシュで合板も値上げしてるのかしら?