視聴・調整 42019年06月01日

バスレフダクト変更後の周波数特性を測ってみました。
上から、
MG850のみの特性
FE208ESのみの特性
MG850+FE208ESの特性
です。

低域の特性はバスレフダクト変更前と比べても何故か大きな変化は無いように見えるが、聴感上の音は結構変わったように感じています。
変更前の低音はフワッとした少々締まりのない感じでしたが、変更後は力強さが出てきた感じで、明らかに変更後の方がイイ。
前回の測定結果を見てダクトの共振周波数は50Hz弱ぐらいと判断したが、もしかすると実際の共振周波数はもう少し高いのだが、部屋の癖で70Hz付近に大きなディップがあるため、共振周波数の山が分りにくくなっている(つぶされている)のではないか?
正しいダクトの共振周波数を知るには周波数毎のインピーダンスを測定するしかないようです。

また、前回測定した時以降 MG850には、30~40Hzぐらいのサインウェーブやピンクノイズを連続で鳴らしてエージングを掛けていたので、中高域は多少変化があったように思います。
特に高域は MG850本来の特性に近くなってきたように思う。

インピーダンス測定 12019年06月08日

バスレフダクトの共振周波数(fd)を知るには周波数測定結果だけを見て判断するには無理があるようなので、スピーカーのインピーダンスを測定してみることにした。
測定方法はネットで調べたが、こういう時はネットのありがたさを痛感するとともに、情報をアップされている方々に感謝感謝です。

で、写真のような治具を作りました。
アンプはシステムのアンプを使ってもいいのだが、使用していないデジタルアンプの基板(stereo誌付録のLXA-OT1)があったので、これを治具に組み込んで使うことにした。
低周波発振器は、いつも周波数測定で使用しているパソコンソフトです。
固定抵抗は 3Ω20Wのセメント抵抗が 2個あったので、これを直列につないで 6Ωで使用する。
図面上では 8Ωになっているが計算式の定数を変えれば、たぶん 6Ωでも問題ないと思う。

測定の手順は、
切替SWを1側に倒した時の交流電圧値 E1と 2側に倒した時の交流電圧値 E2をテスターで測り、計算式「8×E2/E1」でスピーカーのインピーダンスを算出できる(らしいです)。
上記を周波数を20Hz~20kHzまで任意のポイントで切り替えながら測定していくが、周波数を変えた場合でも交流電圧値 E1は一定の値(例えば0.5Vなど)になるようにアンプのボリュームを都度調整しながら行う。
作成した治具の抵抗は 6Ωなので、計算式の「8」は「6」に置き換えて「6×E2/E1」とすればいいはず。

インピーダンス測定 22019年06月10日

手始めに FE103-Sol(16Ω)で作成したバスレフ型スピーカーのインピーダンスを測定してみることに。
箱の容積とダクトのサイズからの計算ではダクトの共振周波数(fd)は 85Hzぐらいになっている。

で、さっそく測定してみました。
測定結果の E1と E2を表計算ソフトに入力し、自動計算させてグラフ化したところそれらしいグラフになりました。
グラフを見ると、共振周波数は 83Hzぐらいで、計算結果とほぼ一致しました。

周波数特性は 2~3分で自動的に測定できてしまうが、マイクのセッティングや環境次第で結果が大きく変わるので、イマイチ釈然としないものがあった。
逆にインピーダンス測定は、発振周波数を手で切り替えたり、各ポイントでボリュームを調整しながらテスターの値を確認したり、と手間はかかるが実験でもしている感じで楽しいし、多少の誤差はあるのかもしれないが明確な結果がでるので面白い。

インピーダンス測定 32019年06月14日

FE208ESのインピーダンスを測定してみました。
バスレフダクトは、変更前の広がり率が大きい方(60.8→76.6→143mm)と、変更後の小さい方(60.8→66.6→124mm)の両方を測定してみた。
グラフは、上が広がり率が大きい方で、下が広がり率が小さい方で、fdは、広がり率が大きい方は 44Hzで、広がり率が小さい方は 40Hzでした。
差はわずかですが、聴感的には広がり率が小さい方がイイと感じています。

視聴・調整 52019年06月16日

さらにダクトの広がり率を小さくする調整を行ってみました。
今までは、本体と底板の隙間の四隅には円柱形のインシュレータを入れており、この場合、塩ビ管から放射された音は本体と底板の隙間を前後左右に抜けることになる。
で、インシュレータではなく15mm厚の板を入れて左右を完全に塞ぎ前後だけに抜けるようにした。
これで、ほぼストレートに近いダクトになり長さも若干長くなる。
聴感的には押出し感があり今まででこれが一番イイ感じになりましたが、これじゃ普通のダクトとあまり変わりは無くなってしまうので、インシュレータで隙間を作った底面ダクトは失敗ということになり少々残念な気がします。
まぁ、出てきた音は悪くはなく、納得できる音にはなったと思います。

インピーダンス測定 42019年06月19日

(ほぼ)ストレートダクトに変更した場合のインピーダンス特性と周波数特性も測ってみました。
上のグラフが FE208ES単独のインピーダンス特性で、下が FE208ES+MG850の周波数特性です。
fdは 35Hzでした。

純マグネシウム振動板を持つ MG850の音はクセが無く歪感極小でキレもあり、ツイーターとしても十分使えそうな高域はかなり上まで伸びており、少々ハイ上がりですが文句なしです。
ただ、同様に純マグネシウム振動板を持つ MG130HRと比べるとキメの細やかさや分解能では MG130HRが一枚も二枚も上ですが、価格差と投入されている物量考えれば当然でしょう。
FE208ESは、超強力な駆動力と構造的に硬性を高めた振動板によってか、スピード感のある低音を出しておりますが、少し迫力(圧力?)が足りない気もする。
FE208ESのローパスフィルターは 400Hzに設定しており本当はもう少し低いところにしたかったのですが、MG850の中低域がわりと早めに落ちてしまっているので、少し高めにするしかなかったのですが、本来 FE208ESは高音質フルレンジスピーカーなので、ローパスフィルターを少しぐらい高めに設定しても中域の質が低下するようなことは無く MG850とも違和感無くつながっていると思う。

視聴・調整 62019年06月23日

このスピーカーを設計~作成するときには、
・本体と底板の間の四隅にインシュレータを入れて隙間を作る。
・この隙間をバスレフダクトの延長と考えて、徐々に広がっていくダクトにする。
という考えで進めていたが、調整していくうちにインシュレータは無くなりストレートダクトになってしまった。
このまま落ち着いてしまうのも悔しいので、もう少しジタバタしたいと思います。

ジタバタの内容は、
インシュレータに見えるスペーサーを四隅に入れて底板との隙間を作る。
このままだと、ダクトから放射された音は四方に抜けてしまうので、ダクトの広がり率が大きすぎることになる。
そこで、隙間の左右に板を入れて広がり率を抑えるガイドにする。
という感じです。
これは現状の構造(インシュレータを外して、隙間の左右に板を入れる)と基本的には変わらないのでが、とりあえずはインシュレータで隙間を作っている(ように見える)し、ガイドは直線ではなくホーンのような曲線にカットして広がりを付けるようにします。
これで、当初の設計思想は一応守られると思います。

視聴・調整 72019年06月25日

ということで、早速作ってみました。
近くのホームセンターには 18mm厚のMDF材が無く 9mm厚のMDF材を2枚重ねにしたものですが、インシュレータもガイドも 18mm厚の MFD材から切り出しました。
ガイドの曲線はホーンのカットオフ周波数を考慮して計算したような曲線ではなく、こんな感じかな?という適当な曲線です。
持っていた雲形定規にちょうど良さそうなホーンらしい曲線があったので、これを当てて線を引きジグソーでカットした。
もし仕上げすることになったら、インシュレータ部分はシルバーに塗装し、ガイド部分は黒に塗装すればかなりイイ感じになると思う。

音は、押出し感が出て、迫力が増した低音が出るようになった。
アレコレ迷走して来ましたが、これで決まりです。

視聴・測定2019年06月29日

インピーダンス特性と周波数特性も測ってみました。
上のグラフが FE208ES単独のインピーダンス特性で、下が FE208ES+MG850の周波数特性です。
fdは 38Hzでした。
CDやレコードを取っ替え引っ替え聴いているが、なかなかイイ感じです。
手間は掛かったが結果的に完成度が高い音になったので、仕上げまでやってみようと思っています。

それにしても 70Hz付近を中心とした大きなディップは部屋のクセなんですが、なんとかならないものか?
マイクを前後に動かしてもディップにあまり変化は無く上下に動かすと変化するので、天井と床の間で発生している共振だとは思うのですが・・