新スピーカー(ウーハー検討編3)2013年07月01日

スピーカーユニット(FW168N)を2つ向かい合わせにして取り付けた SW-168 の周波数特性を測ってみた。
いつもは L+R 同時に鳴らして視聴ポイントで測定するのだが、今回は片チャンネルだけでの測定になるので、マイクはスピーカーの正面1mの距離で測定した。
今までの測定結果とは少々違う特性になっており、特に 100Hz以下が低く計測されるようなので考慮して判断する必要がある。

グラフは上から
1.ユニット1発の SW-168 単体の特性
2.ユニット2発の SW-168 単体の特性
3.ユニット1発の SW-168+中高域スピーカーの特性
4.ユニット2発の SW-168+中高域スピーカーの特性
(40Hz以下が盛り上がっているグラフもあるが、これはノイズを拾ったものなので無視)

2発にしたことで fd の2つの山はやや高くなったが、fd より上の帯域が減った。
音はゴリッとした押し出し感のある低音は出るが、量感が後退したような感じもする。
量感が後退した原因としては、fd より上の帯域が減ったためと、山はたしかに高くはなったが鋭く高くなっただけなので量感が増えたとは感じられないのかもしれないが、片チャンネルだけでの視聴なのでよく判らない、というのが正直な感想。
ステレオで聴いてみたいが、FW168N が2つしかないので無理。
ユニットを向かい合わせにすることで中高域の音漏れが少なくなるので、PPW方式ではなく ASWかバスレフやダブルバスレフでも理想に近いサブウーハーになるのではないかとも思うが、ちょっとばかし敷居が高い。

新スピーカー(ウーハー検討編4)2013年07月05日

スピーカーを部屋のコーナーに置くことでも作り変えたりユニットを交換したりすることなく低域のレベルを上げることができる。
今はウーハーは中高域用スピーカーのスタンドも兼ねており壁から離れた位置に設置しているが、ウーハーだけを壁に近い位置に移動し、中高域用のスピーカーには専用のスピーカースタンドを作ればイイ。
その方がウーハーの振動の影響を直接受けることも無くなり、また、空間に浮いたような状態にもできるので音場の広がりや定位が向上するのではないかと思う。

現状の部屋の配置はコーナーに CDラックや本棚を置いているので、ウーハーを壁のすぐ横に置くことはできないが、現状のままでできる限りコーナー付近に置いてみた。
中高域用のスピーカースタンドには適当な箱を積み上げて代用。

SW-168 は正面と背面にダクトが着いており、計算上の fd は正面側ダクトが 41Hz、背面側ダクトが 133Hz(図面集のデータより)。
どちらを前にするかで特性が変わってくるはずで、後ろ側になる方が三方をコーナーに囲まれた壁に近くなるので、よりレベルアップすると思う。

新スピーカー(ウーハー検討編5)2013年07月07日

周波数特性を測ってみた。
グラフは上から、
1.正面側ダクトを前にしてコーナーに設置した場合の特性
2.背面側ダクトを前にしてコーナーに設置した場合の特性
3.背面側ダクトを前にしてコーナーに設置した場合の特性(逆相接続)
40Hz以下が盛り上がっているグラフもあるが、これはノイズを拾ったものなので無視。
アンプのバイアンプレベル調整(バランス調整)は中央(±0)に設定。

やはりウーハーをコーナーに設置すると低域がレベルアップする。
背面側ダクトを前にして設置した時(fd が低い方のダクトを後ろ側にした時)が一番イイ特性になるのではないかと期待していたが、結果(2のグラフ)はそうでもなく400Hz近辺に深いディップまでできてしまった。
前面の大きなダクトから放射される音と中高域の音が干渉して相殺しているのではないかと思い、ウーハーを逆相にして測定したのが3のグラフで、fd の山が高く fd 間の谷は浅くなり 400Hz近辺の深いディップも消え、なかなかイイ感じの特性になる。
聴感的にも低域の量感が増し音に厚みが出た。
ウーハーの設置変更による影響なのかスタンドの影響なのかは判らないが、FE138ES-R 特有の中高域の張り出すようなキャラクターが少し薄れて滑らかになった気もする。
しばらくこのままの状態にしておきたかったが、適当な箱を積み上げただけのスピーカスタンドは不安定だし、崩れてスピーカーユニットでも壊したら大変なので残念だが元の状態に戻した。

新スピーカー2013年07月11日

新スピーカー作成に向けてプロトタイプを作り、さらにウーハーの検討を行ってきて、方向性は見えたので次は本番に移る予定。

中高域用のスピーカーは基本的にプロトタイプと同じで、ユニットは FE138ES-R と T90A-EX を使用した後面開放型にするつもり。
ただ、プロトタイプでは箱内の共振(カンカン鳴る)が気になったので、単純な四角い箱ではなく斜めの面を持つ箱にしたいと思う。

ウーハーは SW-168 をそのまま使い、低域不足はコーナーに設置することで対応する。
なので、スピーカースタンドも作る必要がある。

久々のバックロードホーン作成2013年07月13日

仕事で時々通っている会社の事務所が新築され、ここにオーディオシステムを置くことになった。
「置かせてもらえることになった」の方が正しい表現かな。
鉄骨構造で1階が工場、2階の一部が事務所になっていて広さは16畳ぐらい。
床や壁は一般的な住宅に比べれば丈夫で、カーテンや絨毯などが無いためライブな感じ。
住宅地やオフィス街ではないので周囲の建物は離れており、かなり大きな音を出しても近所迷惑にはならないと思う。

機器はだいぶ古いがプリメインアンプ NEC A10Ⅱと DVDプレーヤー PIONEER DV-525 があるのでこれを使う。
スピーカーは適当なものが無いのでバックロードホーンを作ろうと思う。
バックロードホーンは見栄えがイイし、比較的小さいユニットでも迫力のある音を出せるので、多くの人(仕事関係の人)が出入りする場所に置くにはいいのではないかと思う。
オーディオに興味がある人も無い人も「おっ!」と目を止めてもらえれば満足。
我が家の新スピーカーも控えており、あまりお金をかけられないので、スピーカーユニットは手持ちの FOSTEX FE164 を使う予定だが、非力なユニットなので迫力のある音が出せるのかどうか少々不安。

ということで、我が家の新スピーカーは一旦オアズケ。
もしかしてバックロードホーンの音を聴いたら後面開放型なんて変なスピーカーよりバックロードホーンの方がよくなってしまうかも。
なんてな。

D-1に決定2013年07月15日

我が家で使うスピーカーではないので、無難にまとめた方がよさそう。
やはり巨匠・長岡鉄男様設計のバックロードホーンが安心。
バスレフ向きの非力な FE164 だと D-161(レア)や D-33 などはドライブできそうもないので、箱の選択肢は多くはない。
で、15mm厚 3×6 合板1枚で1本作ることができ、いかにもバックロードホーンでございますという風貌の D-1 に決定。
かなり初期の設計だが、今のように大型のマグネットを背負ったパワフルなスピーカーユニットが無かったころの設計なので、FE164 との相性は悪くないように思う。
オリジナルの板取りだと木目が横向きになってしまうので、縦向きになるように板取りを変更。
板取りの都合もあって開口部、底、補強を少しだけ変更。

実は、D-1 を選択した理由は他にもあり、バックロードホーンに取り付けた FE138ES-R の音を聴いてみたかったのである。
D-1 は16cmユニット用なので FE138ES-R には空気室やスロートが少々大きいようだが全然ダメというほど外れてもいないので、事務所に持っていく前にちょっと聴いてみようと思っている。

D-1の板をカットサービスに依頼2013年07月18日

エンクロージャーは板のカットの出来しだい(どれだけ正確にカットできるか)で製作の手間や完成度にかなり差がつく。
特にバックロードホーンの場合は複雑な構造なので特にその傾向が強いと思う。
ということで、D-1 の板はプロのカットサービスに依頼。
板は、安めのラワン合板を選択。

完成するまでの間、FE164 はダンボール製の密閉エンクロージャーでエージング。
低音は不足ぎみだが、さわやかな音がする。
ただ、長期間保存していたユニットなのでエッジがスケスケになっているのが気にかかる。

エッジのダンプ剤2013年07月23日

FE164 のエッジが経年変化でスケスケ状態になっていて、このままではヨロシクナイので何とか補修できないかネットで調べてみた。

クロスエッジにはビスコロイドというダンプ剤が塗布されているらしく、これが経年変化で揮発してスケスケになったと思われる。
もう一度ダンプ剤を塗ってやればいいのだと思うが、今はビスコロイドは一般販売されていないらしい。
馬油を塗るとか液ゴムなどを調合して独自のダンプ剤を作っている方もいるようたが、よくわからない。

で、ビスコロイドではないがダンプ剤を販売しているサイトを見つけたので、購入してみた。

ダンプ剤でエッジ補修2013年07月25日

はじめから FE164 に使って失敗したらマズイので、同様にエッジがスケスケになっている FE87 で試してみた。

購入したダンプ剤は見た目も匂いも木工ボンドに似ているが、メーカーの説明では「乾燥してもカチカチに硬くなることはありません」とのことなので乾いても一定の柔らかさを保つようだ。
水で薄めてコーン紙に塗ってもイイらしい。
ちなみに、このダンプ剤はクロスエッジ用でウレタンエッジには使えないのでご注意を。

ダンプしたいわけではなく、スケスケになったエッジの気密性を回復したいだけなので、ダンプ剤はできるだけ薄く塗りたい。
ということで、水で薄めて塗ってみた。
とりあえずダンプ剤と水の割合を1:1ぐらいにして、筆で垂れない程度に薄くエッジだけに塗った。
牛乳でも塗っている感じ。
小一時間ほどで乾く。
塗りムラがあったようで、縫い目にダンプ剤が入っていない箇所があったので、もう一度全体的に塗り重ねた。
乾くと光沢が出てスケスケの縫い目にダンプ剤が埋まり、気密性は回復できたのではないかと思う。

写真の上側がダンプ剤を塗る前で、エッジを通してスピーカーの下に置いた本のタイトルが読める。
下はダンプ剤を塗った後で、もう文字は見えないがエッジはしなやかさを保っており、ダンプ剤を塗ったことによる悪影響はなさそうである。

エッジ補修の効果は?2013年07月27日

ダンプ剤でエッジを補修した FE87 の周波数特性を測ってみた。
箱は、FOSTEX GSV8 を使用。

グラフは上から
1.エッジ補修前の FE87 の周波数特性
2.エッジ補修後の FE87 の周波数特性
3.FE83E の周波数特性(参考用)

補修前の FE87 はエッジが完全にスケスケでスカスカ状態だったので、空気ダダ漏れで中域が大幅に凹んでいて酷い特性。
3は新しめの FE83E(エッジはまだまだ元気)の特性だが、補修後の2の特性はこれに近い特性になっており明らかに改善されているのがわかる。
エッジ補修は今のところ大成功。
あとは経年変化でダンプ剤が硬くならなければいいのだが、これはメーカーを信じるしかない。

ということで、FE164 にも安心してダンプ剤を塗ることができる。